相談窓口は園内だけでよい?外部相談窓口まで知らせる理由【日本版DBS】

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日本版DBSコラム

日本版DBS(こども性暴力防止法)は、職員の性犯罪歴の確認や、性暴力を防ぐ園の取組を定めた法律です。上越市など新潟の園長・主任向けに、相談窓口の用意と知らせ方をまとめました。

更新日:2026年10月29日/情報の基準日:2026年10月29日(出典は記事末)/執筆:NA&HRコンサルティング社会保険労務士法人 所長 社会保険労務士 井上智玄

この記事の要点

  1. 園内と外部、両方の相談窓口をこどもと保護者に知らせる必要があります。
  2. 国の表にあるような公的機関などの窓口なら、事前の承諾は要りません。
  3. 施行日(法律のルールが始まる日。2026年12月25日)までに一覧を作って知らせます。

1相談窓口は、園内に置くだけでよいですか?

いいえ。園内と外部の両方の窓口を、こどもと保護者に知らせる必要があります。認可保育所・認定こども園は、法律で対応が義務づけられた施設(義務対象)です。園内では、相談を受ける人(相談員)を決めるか、電話や用紙などの受け口(相談窓口)を設けます。どちらかで足ります。外部相談窓口とは、園の外にある相談先です。国や自治体などの公的な窓口が中心です。だから園は、両方をそろえて知らせます(こども家庭庁のQ&A(基礎編)5-3、こども家庭庁の施行ガイドライン p.130)。

外部が要るのは、職員が関わる疑いがあると、園の窓口には言いにくいからです。たとえば相談員の主任の様子に保護者が違和感を持っても、本人には相談しにくいでしょう。だから園は、外部の窓口も含めて、こどもが相談先を選べるようにします。相談員を男女で置くのも一つの方法です(ガイドライン p.136〜137)。

2外部の窓口を知らせるのに、窓口側の承諾は要りますか?

国のガイドラインの表にあるような、公的機関などの窓口なら、知らせるのに事前の承諾は要りません。それ以外の窓口は、性質に応じて運営する側へ事前に確認します。たとえば児童相談所の番号も、公的な窓口なので、そのまま園だよりに載せられます。だから園は、まず公的な窓口で一覧を作り、ほかは確認してから加えます(Q&A基礎5-3)。

3外部窓口の一覧には、どこを載せればよいですか?

国の表を参考に、園ごとに作ります。園でよく使う4つは次のとおりです(ガイドライン p.137〜138)。

窓口 内容と連絡先
24時間子供SOSダイヤル こどもと保護者の相談を、24時間365日受け付けます。原則として、かけた地域の教育委員会の窓口につながります。0120-0-78310(通話料無料)
児童相談所相談専用ダイヤル 住んでいる地域の児童相談所につながります。0120-189-783(通話料無料)
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター 被害の直後から、医療・法律・心のケアの支援を、できるだけ一か所で受けられます。電話は最寄りのセンターにつながります。#8891(通話料無料)
性犯罪被害相談電話 都道府県警察の窓口につながります。#8103(通話料無料)。緊急時は110番です。

自治体のこども向け相談窓口も、知らせる対象になり得ます。なお保育所などは、県や市の虐待相談窓口も知らせる対象です。だから園は、自治体の窓口も調べて一覧に加えます(ガイドライン p.138、施行準備ガイド p.9)。

国の指針では、ワンストップ支援センターは事業者からの相談は受けないとされています。また外部の窓口は、相談の中身を園に伝えるとは限りません。たとえば園長が職員の疑いに気づいたら、園の報告・対応ルールに沿って動きます。犯罪の疑いがあれば、すぐに警察に通報・相談します。だから園は、一覧を「こどもと保護者が使う連絡先」として作ります(横断指針 p.101、ガイドライン p.139、Q&A応用5-5)。

4こどもと保護者には、いつまでに、どう知らせますか?

国のチェックリストのとおり、施行日(2026年12月25日)までに知らせます。国のガイドラインには、窓口を「少なくとも年に1回」知らせる、という報告の項目があります。ただしこれは、主に認定を受けた事業者がこども家庭庁へ出す報告の表です。認可園は所轄庁(園を認可した県や市)が監督し、何をいつ報告するかは所轄庁が決めます。だから園は、年1回を目安に周知の時期を決め、所轄庁の案内も確かめます(事業者向けチェックリスト、ガイドライン p.320・p.324)。

保護者には、国の保護者向けひな型で知らせます。窓口の一覧は別紙でもかまいません。相談しても不利益を受けないことも伝えると、相談しやすくなります。匿名で受けるなら、そのことも書きます。ひな型の使い方は第9回「保護者への説明」で解説しています。だから園は、ひな型の窓口の欄に、園内と外部の窓口を書き入れます(保護者向けひな型、ガイドライン p.136〜137)。

相談後の流れを伝える国のひな型は、中高生向けと小学生向け(高学年・低学年)の3種類です。園児向けはありません。国のQ&Aでは、園児はアンケートが難しく、日ごろの観察や会話で早く気づくことが中心とされています。たとえば年長の担任が、低学年向けの「あなたの はなしを ききます」を会話で伝える方法です。だから園は、園児への伝え方を園で工夫します(児童等向け周知用資料ひな型、Q&A基礎5-2)。

まとめ

園内と外部の相談窓口を、施行日までに一覧にして知らせましょう。保護者には文書で、園児には日ごろの会話で伝えます。

当法人では、新潟県内の保育園・こども園向けに、相談窓口の決め方や保護者へのお知らせ文を含む導入支援を行っています。

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この記事の出典(こども家庭庁の資料)

・こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」(令和8年9月改訂)p.130、p.136〜139、p.320、p.324

・こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」(令和8年9月18日改訂)基礎5-2・5-3、応用5-5

・こども家庭庁「義務事業者用 施行準備ガイド」p.8〜9

・こども家庭庁「事業者向けチェックリスト(施行までに必要な対応・義務対象事業者)」

・こども家庭庁「保護者向け周知用資料ひな型」「児童等向け周知用資料(相談後のフロー)ひな型」

・こども家庭庁「横断指針」(令和8年8月21日改訂)本体 p.101(横断指針は法律上の義務を定めるものではありません)

※本記事は公表資料に基づく一般的な解説です。個別の施設の判断は、所轄庁またはこども家庭庁の問い合わせ窓口、専門家にご確認ください。