2026年09月30日
新潟の日本版DBS対応支援(保育園・こども園・放課後等デイ向け)はこちら
「保護者には何を、どう伝えればよいのか」というご相談を、園長・理事長の方からいただきます。この記事では、こども家庭庁のガイドライン・Q&A・周知用資料のひな型をもとに、保護者への説明のしかたを整理します。
この記事の要点
| 内容 | 伝えること |
|---|---|
| 制度の仕組み | こども性暴力防止法の目的と、施設が行う確認(職員に性犯罪の前科がないかを、こども家庭庁を通じて確かめる手続き)や研修の概要 |
| 園の取組 | 早期把握、相談体制、報告のルールなど、園が行うこと |
| 不適切な行為の範囲 | 職員に禁止する行為。事業者ごとに、職員と話し合って決めた内容 |
| こどもを守るための知識 | 性暴力とは何か、こどもの権利、こどものサインと、被害にあったときの対応 |
| 相談窓口 | 誰に、どこへ相談できるか |
| 事案が起きたときの約束とお願い | すぐには説明できなくても、後から可能な範囲で、適切な時期に説明すること。うわさを立てたり広めたりしないよう、保護者にお願いすること |
不適切な行為の範囲は、決めた内容を入園時の資料などで保護者にも周知します(ガイドラインp.119)。相談窓口は、施設の内と外の両方を周知します(Q&A基礎5-3)。国の保護者向けひな型にも、こどもの権利、うわさを広めないお願いなどが入っています(ガイドラインp.128〜129)。
入園時の資料
制度と園の取組、相談窓口を、入園・利用開始のときにお渡しする資料に入れておきます。
お便り
すでに通っている保護者には、お便りで繰り返しお知らせします。
説明会
質問を受けたい場合に向いています。保護者が不安を感じやすい話題ですので、言葉づかいに気を配ります。
どれか1つだけでなく、組み合わせると、伝わりやすくなります。
国は、保護者向けの周知用資料のひな型を示しています(2枚のスライド形式)。これをもとに、園の名前や連絡先を入れて使えます。
こども向けには、年齢別のひな型があります。中高生向け、小学生高学年向け、小学生低学年向けです。小学生以上の3種類で、未就学児向けのものは示されていないため、園児には、年齢に合わせた伝え方を園で工夫します。こども向けの3種類のひな型は、こどもが誰かに相談した後の対応の流れを伝える内容です。年齢に応じた言葉で、安心して相談できることを知らせます。
こまもろうマークには2種類あります。義務対象の事業者(認可保育所・認定こども園など)が使えるのは、ピンク色の「法定事業者マーク」で、施行日の2026年12月25日から使えます。水色の「認定事業者マーク」は、国の認定を受けた事業者用のもので、義務対象というだけの園では使えません。
| 使える例 | 使えない例 |
|---|---|
| 制服、パンフレット、募集案内、ウェブサイト、名刺、受付、看板、求人広告 | ペン、クリアファイルなど、あとから回収しにくい物 |
名刺は、対象の事業に携わる職員の名刺だけに付けられます。異動・退職のときは回収などが必要です(Q&A基礎4-12)。保護者から「マークがあるなら、職員は全員確認済みですか」と聞かれることがあります。全員が確認済みとは限りません。理由は2つあります。1つは、確認の対象でない職種の人は、確認をしないためです。たとえば、こどもと接することがほとんどない事務職員などです。もう1つは、今いる職員の確認は、2027年4月から2029年12月24日までの間に順に行うためです。聞かれたときに、この2点を説明できるようにしておきます(ガイドラインp.101、施行時現職者の分散方法の通知)。
ピンク色の法定事業者マークを使えるのは、義務対象の事業者だけです。それ以外の事業者などが付けると、行政指導の対象になることがあります。当法人は、このマークを当法人の宣伝には使いません。
万一、職員に疑いが生じた場合は、被害を受けたこどもの保護者だけでなく、他の保護者への説明も課題になります。こども家庭庁の研修教材「被害を受けた疑いのあるこども以外の保護者とのコミュニケーション」では、次の5つのポイントが挙げられています(同資料p.5〜7)。
誠実性:被害を受けたこどもを中心に方針を決め、プライバシーと二次被害の防止に配慮する
適時性:被害を受けた疑いのあるこどもと保護者の承諾を得ながら、適切なタイミングで第一報を出す
透明性:分かっている事実は隠さず、分からない点は「確認中」と正直に伝える
一貫性:説明や問い合わせの窓口を一本化し、話がぶれないようにする
再発防止:再発を防ぐための取組を示す
あらかじめ「事案が起きたときは、すぐにはご説明できなくても、後から可能な範囲で、適切な時期にご説明します」と伝えておくと、調査中の混乱や二次被害を防ぐことにつながります(ガイドラインp.129)。ただし、個別の事案は、状況によって判断が異なります。個別の事案は専門家にご相談ください。
個々の職員の確認の結果は、保護者にも伝えません。たとえば保護者から「〇〇先生は確認で問題なかったのですか」と聞かれても、園は答えられません。「問題ありませんでした」と答えることも、法律で禁じられた第三者への提供にあたります。その場合は、「個々の職員の確認結果は、法律でお伝えできないことになっています」と説明します(ガイドラインp.275)。
今いる職員全員の確認が終わった後に、園全体として「確認が完了した」とお知らせすることは、ガイドラインでも勧められています。どの職種の誰が確認を終えたかといった細かな状況は、お知らせを控えます(ガイドラインp.210〜211)。国の保護者向けひな型にも、個別の確認結果は法律上お伝えできないと書かれています。
まとめ
保護者への説明は、6つの内容を、入園時資料・お便り・説明会で伝えます。国のひな型とこまもろうマークは、決まりを守って使いましょう。
当法人では、就業規則と関係書類を含む導入支援を行っています。自施設でどこまで対応が必要か知りたい方は、5分の無料診断はこちらからご確認ください。
日本版DBSの準備、
何から始めればよいかご相談ください
社会保険労務士が、施設ごとに「やること」と「期限」を整理します。
5分の無料診断をする・こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」(令和8年9月改訂)p.98〜101、p.119、p.127〜129、p.210〜211、p.275
・こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」(令和8年9月18日改訂)基礎4-11・4-12・5-3、応用4-13
・こども家庭庁「保護者向け周知用資料ひな型」「児童等向け周知用資料」「被害を受けた疑いのあるこども以外の保護者とのコミュニケーション」p.5〜7「事業者マークの策定について(令和7年12月25日)」
※本記事は公表資料に基づく一般的な解説です。個別の施設の判断は、所轄庁またはこども家庭庁の問い合わせ窓口、専門家にご確認ください。