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保護者にはどう説明する?日本版DBSの伝え方とこまもろうマークの使い方

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日本版DBSコラム 第9回

「保護者には何を、どう伝えればよいのか」というご相談を、園長・理事長の方からいただきます。この記事では、こども家庭庁のガイドライン・Q&A・周知用資料のひな型をもとに、保護者への説明のしかたを整理します。

情報の基準日:2026年9月30日(こども家庭庁 施行ガイドライン 令和8年9月改訂、Q&A 令和8年9月18日改訂)/執筆:NA&HRコンサルティング社会保険労務士法人 所長 社会保険労務士 井上智玄

この記事の要点

  1. 保護者には、制度の仕組み、園の取組、こどもを守るための知識、不適切な行為の範囲、相談窓口、事案が起きたときの約束を伝えます。入園時の資料などで周知します。
  2. 国は、保護者向けの周知用資料のひな型と、こども向けの資料のひな型を示しています。
  3. ピンク色の法定事業者マークは、施行日(2026年12月25日)から、義務対象事業者(認可保育所・認定こども園など、法律で対応が義務づけられる事業者)が使えます。ペンやクリアファイルなど、回収しにくい物には付けられません。

1保護者に伝える6つの内容

内容 伝えること
制度の仕組み こども性暴力防止法の目的と、施設が行う確認(職員に性犯罪の前科がないかを、こども家庭庁を通じて確かめる手続き)や研修の概要
園の取組 早期把握、相談体制、報告のルールなど、園が行うこと
不適切な行為の範囲 職員に禁止する行為。事業者ごとに、職員と話し合って決めた内容
こどもを守るための知識 性暴力とは何か、こどもの権利、こどものサインと、被害にあったときの対応
相談窓口 誰に、どこへ相談できるか
事案が起きたときの約束とお願い すぐには説明できなくても、後から可能な範囲で、適切な時期に説明すること。うわさを立てたり広めたりしないよう、保護者にお願いすること

不適切な行為の範囲は、決めた内容を入園時の資料などで保護者にも周知します(ガイドラインp.119)。相談窓口は、施設の内と外の両方を周知します(Q&A基礎5-3)。国の保護者向けひな型にも、こどもの権利、うわさを広めないお願いなどが入っています(ガイドラインp.128〜129)。

2どう伝えるか:入園時資料・お便り・説明会

入園時の資料

制度と園の取組、相談窓口を、入園・利用開始のときにお渡しする資料に入れておきます。

お便り

すでに通っている保護者には、お便りで繰り返しお知らせします。

説明会

質問を受けたい場合に向いています。保護者が不安を感じやすい話題ですので、言葉づかいに気を配ります。

どれか1つだけでなく、組み合わせると、伝わりやすくなります。

3国の周知用資料ひな型

国は、保護者向けの周知用資料のひな型を示しています(2枚のスライド形式)。これをもとに、園の名前や連絡先を入れて使えます。

こども向けには、年齢別のひな型があります。中高生向け、小学生高学年向け、小学生低学年向けです。小学生以上の3種類で、未就学児向けのものは示されていないため、園児には、年齢に合わせた伝え方を園で工夫します。こども向けの3種類のひな型は、こどもが誰かに相談した後の対応の流れを伝える内容です。年齢に応じた言葉で、安心して相談できることを知らせます。

4こまもろうマークの使い方

こまもろうマークには2種類あります。義務対象の事業者(認可保育所・認定こども園など)が使えるのは、ピンク色の「法定事業者マーク」で、施行日の2026年12月25日から使えます。水色の「認定事業者マーク」は、国の認定を受けた事業者用のもので、義務対象というだけの園では使えません。

使える例 使えない例
制服、パンフレット、募集案内、ウェブサイト、名刺、受付、看板、求人広告 ペン、クリアファイルなど、あとから回収しにくい物

名刺は、対象の事業に携わる職員の名刺だけに付けられます。異動・退職のときは回収などが必要です(Q&A基礎4-12)。保護者から「マークがあるなら、職員は全員確認済みですか」と聞かれることがあります。全員が確認済みとは限りません。理由は2つあります。1つは、確認の対象でない職種の人は、確認をしないためです。たとえば、こどもと接することがほとんどない事務職員などです。もう1つは、今いる職員の確認は、2027年4月から2029年12月24日までの間に順に行うためです。聞かれたときに、この2点を説明できるようにしておきます(ガイドラインp.101、施行時現職者の分散方法の通知)。

ピンク色の法定事業者マークを使えるのは、義務対象の事業者だけです。それ以外の事業者などが付けると、行政指導の対象になることがあります。当法人は、このマークを当法人の宣伝には使いません。

5疑いが生じたときの、他の保護者との関わり

万一、職員に疑いが生じた場合は、被害を受けたこどもの保護者だけでなく、他の保護者への説明も課題になります。こども家庭庁の研修教材「被害を受けた疑いのあるこども以外の保護者とのコミュニケーション」では、次の5つのポイントが挙げられています(同資料p.5〜7)。

  • 誠実性:被害を受けたこどもを中心に方針を決め、プライバシーと二次被害の防止に配慮する

  • 適時性:被害を受けた疑いのあるこどもと保護者の承諾を得ながら、適切なタイミングで第一報を出す

  • 透明性:分かっている事実は隠さず、分からない点は「確認中」と正直に伝える

  • 一貫性:説明や問い合わせの窓口を一本化し、話がぶれないようにする

  • 再発防止:再発を防ぐための取組を示す

あらかじめ「事案が起きたときは、すぐにはご説明できなくても、後から可能な範囲で、適切な時期にご説明します」と伝えておくと、調査中の混乱や二次被害を防ぐことにつながります(ガイドラインp.129)。ただし、個別の事案は、状況によって判断が異なります。個別の事案は専門家にご相談ください。

6確認結果は、保護者にも伝えない

個々の職員の確認の結果は、保護者にも伝えません。たとえば保護者から「〇〇先生は確認で問題なかったのですか」と聞かれても、園は答えられません。「問題ありませんでした」と答えることも、法律で禁じられた第三者への提供にあたります。その場合は、「個々の職員の確認結果は、法律でお伝えできないことになっています」と説明します(ガイドラインp.275)。

今いる職員全員の確認が終わった後に、園全体として「確認が完了した」とお知らせすることは、ガイドラインでも勧められています。どの職種の誰が確認を終えたかといった細かな状況は、お知らせを控えます(ガイドラインp.210〜211)。国の保護者向けひな型にも、個別の確認結果は法律上お伝えできないと書かれています。

まとめ

保護者への説明は、6つの内容を、入園時資料・お便り・説明会で伝えます。国のひな型とこまもろうマークは、決まりを守って使いましょう。

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この記事の出典(こども家庭庁の資料)

・こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」(令和8年9月改訂)p.98〜101、p.119、p.127〜129、p.210〜211、p.275

・こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」(令和8年9月18日改訂)基礎4-11・4-12・5-3、応用4-13

・こども家庭庁「保護者向け周知用資料ひな型」「児童等向け周知用資料」「被害を受けた疑いのあるこども以外の保護者とのコミュニケーション」p.5〜7「事業者マークの策定について(令和7年12月25日)」

※本記事は公表資料に基づく一般的な解説です。個別の施設の判断は、所轄庁またはこども家庭庁の問い合わせ窓口、専門家にご確認ください。