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情報管理規程はどう作る?日本版DBSの犯罪事実確認書の扱い方

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日本版DBSコラム 第8回

「犯罪事実確認書が届いたら、誰が見て、どこに置き、いつ捨てるのか」という質問を、園長・管理者の方からいただきます。この記事では、こども家庭庁のガイドライン・Q&A・規程のひな型をもとに、情報管理規程のつくり方を整理します。

情報の基準日:2026年9月30日(こども家庭庁 施行ガイドライン 令和8年9月改訂、Q&A 令和8年9月18日改訂)/執筆:NA&HRコンサルティング社会保険労務士法人 所長 社会保険労務士 井上智玄

この記事の要点

  1. 確認とは、職員に性犯罪の前科がないかを、こども家庭庁を通じて確かめる手続き(犯罪事実確認)です。犯罪事実確認書(国から届く確認の結果)と犯罪事実確認記録は、前科が「なし」という結果も含めて、最も慎重に扱う情報です。管理責任者を決め、情報管理規程で扱い方を定めます。
  2. 国は、規程のひな型を3種類示しています。確認書を見るのが責任者1人だけか、責任者を含む複数名か、記録をこまもろうシステムの外にも残すかどうかで選びます。こまもろうシステムは、確認の申請などを行う国のオンラインのシステムです。
  3. 確認の結果は、社労士などの外部に送らないでください。第三者への提供は法律で禁止されています。

1何を守る規程か

犯罪事実確認書(国から届く確認の結果)と、犯罪事実確認記録は、最も慎重に扱う情報です。犯罪事実確認記録とは、確認書の内容を別の紙やファイルに書き写したものをいい、「白」「黒」のように該当の有無だけを書いたものも含まれます。前科が「なし」という結果も同じ扱いです(Q&A基礎8-1)。施設の中でも、ごく限られた人だけが扱えるようにします。

情報管理規程には、基本的な事項と、組織的・人的・物理的・技術的の4つの面からの措置を定めます。国は、標準的な措置と、最低限求められる措置を分けて示しています(ガイドラインp.251〜268)。

2管理責任者を決める

まず、情報を管理する責任者を決めます。権限設定表(別紙7)では、権限を持つ人が次の4つに分けられています。

権限は、こまもろうシステムで「職員の誰に何をさせるか」を決める区分です。置かなければならないのは、①の総責任者1名だけです。②〜④は、必要に応じて置きます。たとえば小さな園では、理事長が①の総責任者になり、申請の事務だけを事務職員が④として担当する分け方が考えられます。④の人は、確認書を見ることができません(ガイドラインp.265・別紙7)。

権限者(別紙7) 内容
①全権限者 総責任者(理事長など、事業者で1名を置く。必須)。必要なら準責任者(人事部長など)も置けます
②犯歴閲覧権者(任意) 複数の施設がある場合の施設長など
③権限設定権者(任意) システムの権限設定だけを行う人
④事務担当者(任意) 申請手続だけを行い、確認書は見られない人

確認書を見られる人は最小限にします(小規模の施設では1人に限るなど。ガイドラインp.265)。複数の園を運営する法人でも、特別な理由がなければ、責任者は法人に1人置き、共通の情報管理規程にすることができます(Q&A応用8-6)。

3国の3つのひな型と選び方

国は、情報管理規程のひな型を3種類示しています(別紙8〜10)。

ひな型 体制と保存方法 向いている施設の目安
① 責任者1人だけが、システム上でのみ確認書を見る(システム外に記録・保存しない) 1人で管理できる小規模な施設
② 責任者を含む複数名が、システム上でのみ確認書を見る(システム外に記録・保存しない) 園長など複数名が見る必要があるが、システム外には保存しない施設
③ 責任者を含む複数名が見て、システム外にも記録・保存する 確認書の内容を、システムの外(紙やパソコンのファイルなど)にも記録として残しておく施設

保存する場所が増えるほど、管理する手間も守るべき点も増えます。迷ったときは、まず①か②で足りるかを考えるとよいでしょう。どれを選ぶかは、確認書を見る人数など、施設の体制によって変わります。個別のご事情は専門家にご相談ください。

作った情報管理規程は、こまもろうシステムで国に提出します。提出の期限は、園として初めて職員の確認を申請する前です。施行後すぐに新しい職員を採用する予定なら、早めに準備しておくと安心です。規程を出さずに申請しても、出すまで確認書は届きません。内容が法令に合っていないときも、直すまで確認書は届きません。あとで規程を変えるときも、部署名の変更などの軽い変更を除き、事前に届け出ます(ガイドラインp.197・p.269〜270)。

4取扱者は最小限に、権限を設定する

確認書の内容を見る人・扱う人は、必要な人だけにします。権限設定表で、誰に何を許すかを書面にしておきます。取扱いの記録の様式案も、国から示されています(別紙6)。ひな型に書かれた役職を、自分の施設の誰が担うのかを当てはめて書き込むことが大切です。規程には役職名だけを書き、別に名簿で管理する方法も認められています(Q&A応用4-3)。

5保存と廃棄の期限

確認書と、そこから書き写した記録は、次の期限までに廃棄・消去します(法38条、Q&A基礎8-10)。

  • 働き続けている職員:確認日から5年がたつ日を含む年度の末日から数えて、30日以内

  • 離職した職員や、採用しなかった人:離職の日などから30日以内

こまもろうシステム内の確認書は、自動で廃棄される仕組みです。ただし、離職や内定取消しのときは、園がシステムで手続をする必要があります。システムの外に作った記録は、園が自分で廃棄します(ガイドラインp.286〜287)。廃棄・消去をしないと、50万円以下の罰金の対象です。

確認書の保管や廃棄など、情報を管理する作業を、外部の業者に任せることはできません。外部に渡すこと自体が、法律で禁じられた第三者への提供にあたるためです(ガイドラインp.253〜254、p.275)。施設の中で行う前提で、体制を組みましょう。

6第三者への提供は禁止(法12条)

確認で得た情報は、犯罪事実確認と防止措置以外の目的に使うことも、第三者に渡すことも、法12条で禁じられています。例外は、裁判所の手続や刑事事件の捜査のために提供する場合、法令に基づく報告徴収・立入検査に応じる場合など、法律で定められた場合に限られます(Q&A基礎8-5)。確認書に書かれた情報を、不正な利益を図る目的で人に渡すと、罰則の対象です。前科が「なし」という情報も含みます。また、前科が「あり」と書かれた確認書の内容を、みだりに他人に知らせたり、不当な目的に使ったりすることも、罰則の対象です。職員や、辞めた職員も対象になります。なお、「なし」の結果を人に知らせることも、法12条で禁じられた第三者への提供にあたります。

※罰則の重さ:不正な利益を図る目的で渡した場合は、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。「あり」の内容をみだりに知らせた場合などは、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。どちらも、両方が科されることがあります(法43条・45条2項、ガイドラインp.275)。

ここで、大切な点があります。確認の結果は、社労士などの外部に送らないでください。「なし」という結果も同じです。当法人も、規程や書類の整備はお手伝いしますが、個々の職員の確認結果をお預かりすることはありません。

なお、今いる職員全員の確認が終わった後に、事業者全体として「確認が完了した」と示すことは、ガイドラインでも勧められています。職種ごとや個人ごとの確認状況は、示すのを控えます(ガイドラインp.210〜211)。

7派遣職員の扱い

派遣の職員も、犯罪事実確認は派遣先の園が行います。確認で前科があると分かっても、園はその結果を派遣会社に伝えることはできません(法第12条)。そこで園は、「この方について、こどもへの性暴力のおそれがあると判断しました」とだけ伝えて、ほかの方への交代を求めます。理由の中身を言わなくても交代を求められるように、派遣契約に「おそれがあると派遣先が認めたときは、派遣労働者の変更を求めることができる」という条項を入れておくとよいでしょう。詳しくはQ&A基礎7-8、ガイドラインp.206、p.238をご確認ください。

8情報管理担当者向けの研修

情報を扱う人は、扱い方を理解しておく必要があります。国は、情報管理措置(確認の結果を限られた人だけで扱うための決まり)について、解説の動画を公表しています。管理職向けは10〜15分程度、責任者・担当者向けの詳しい動画は1時間弱程度です。視聴のための手引きも出ています(Q&A応用8-23)。規程をつくって終わりにせず、担当者が実際に守れるかどうかを確かめましょう。

まとめ

情報管理は、管理責任者、ひな型の選択、規程の提出、権限設定、廃棄、第三者提供の禁止の順に整えます。確認の結果は、外部に出さないことが大原則です。

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この記事の出典(こども家庭庁の資料)

・こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」(令和8年9月改訂)p.206、p.210〜211、p.238、p.251〜270、p.273〜276、p.286〜287、別紙6〜10

・こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」(令和8年9月18日改訂)基礎7-8・8-1〜8-5・8-10、応用4-3・8-6・8-9・8-14・8-23

・こども家庭庁「情報管理措置 動画視聴のための手引き」

※本記事は公表資料に基づく一般的な解説です。個別の施設の判断は、所轄庁またはこども家庭庁の問い合わせ窓口、専門家にご確認ください。