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職員研修は国の動画だけで足りる?日本版DBSの研修の進め方

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日本版DBSコラム 第7回

「研修は、国が出している動画を見てもらえば足りるのか」という質問をよくいただきます。この記事では、こども家庭庁のガイドライン・Q&A・研修の手引きをもとに、研修の進め方を整理します。

情報の基準日:2026年9月27日(こども家庭庁 施行ガイドライン 令和8年9月改訂、Q&A 令和8年9月18日改訂)/執筆:NA&HRコンサルティング社会保険労務士法人 所長 社会保険労務士 井上智玄

この記事の要点

  1. 研修は、座学と演習を組み合わせて行います。国の動画には演習の課題も入っていて、職員が一人ずつ動画を見て演習に取り組む方法も認められています。法律上必要な研修は、国の動画で行うことができます。
  2. そのうえで、こども家庭庁の施行ガイドライン(法律の運用を示した国の手引き)は、特に標準研修では、できる限り職員が集まって話し合う形の演習が重要とし、外部の有識者の関与も望ましいとしています(ガイドラインp.125、Q&A基礎5-9、応用5-6・5-9)。
  3. 施行日(2026年12月25日)の時点で働いている職員は原則として施行前、新たに従事する人は従事前に受講します。

1研修の対象と必須の内容

研修は、すべての対象業務従事者(こどもと接する業務のうち、法律の対象になる業務をする職員)が受けます(Q&A基礎5-9)。パート、短時間の職員も対象です。短期アルバイトやボランティアも、次の3要件をすべて満たす業務なら対象です。「支配性」は、こどもより強い立場に立つことです。「継続性」は、くり返しこどもと接することです。「閉鎖性」は、第三者の目が届かない場面でこどもと接することです。継続性がないことが明らかな場合(1日だけのゲスト講師など)は対象外です(研修の手引きFAQ)。

研修事項はガイドラインに定められており、座学と演習を組み合わせて行います。同じ日でなくてもよいのですが、どちらも従事前に終える必要があります(Q&A基礎5-10、ガイドラインp.122〜123)。

2国の動画と、演習の2つの要素

種類 内容
標準研修 国の標準動画を用いた研修。原則は標準研修
要点研修 国の要点動画(約17分)を用いた研修。標準研修の受講がすぐには難しい人(不定期・短期間で働く人など)に限って認められる
独自研修 業界団体や事業者が独自に行う研修。法令で決められた研修事項(こどもの権利、性暴力の特性、不適切な行為の範囲など)を含む座学と演習が必要

3つは択一ではなく、標準または要点の後に、独自研修で補うこともできます(研修の手引き)。実施の主体は問いません(Q&A応用5-6)。

演習には、次の2つの要素が必要です(Q&A応用5-9)。

  • 「不適切な行為」の具体的な内容を理解すること

  • 疑いが生じたときの行動を、シミュレーションすること(こどもや保護者から相談を受けたとき、他の従事者から相談を受けたとき)

3国の動画だけで足りるか

国の標準動画・要点動画には演習課題が含まれ、動画視聴による個人単位の演習も認められています(ガイドラインp.125、Q&A応用5-9)。

そのうえでガイドラインは、特に標準研修では、可能な限り集団での演習が重要とし、第三者性を確保する観点から、外部有識者による講義や教材の監修が望ましいとしています(p.125)。研修の手引きは、演習では心理的安全性の確保が重要とし、オンラインで行う場合は3〜5人程度のグループに分けて一人ひとりの発言時間を確保する工夫を挙げています。研修での議論は、ルールや環境の改善にもつなげられます(研修の手引き)。

4受講の時期

施行時点で働いている職員

原則として、施行前に受講します。

新たに従事する人

従事前に受講します(Q&A基礎5-11)。

施行日の前日までに働くことが決まっていて、施行日より後に働き始める人

たとえば、12月24日までに内定を出し、4月から働く人です。働き始めるまでに受講すればよいとされています(ガイドラインp.124)。

定期的な受講が望ましいとされています。研修は、外部の研修を利用することもできます。その場合も、園は職員が受講したかを確認する義務があります(ガイドラインp.124、研修の手引き)。

5研修時間と受講記録

研修の時間は、労働時間に含まれます(ガイドラインp.126)。

研修の受講状況は、定期報告(毎年1回、こども家庭庁へ取組状況を出す報告)でも報告が必要です。出欠の確認やアンケートで受講状況を把握し、必要に応じて国の確認テストで理解度を確かめます(研修の手引き)。記録は、研修実施計画書(別紙様式1-1)と受講管理表(別紙様式2)が参考になります。受講管理表には、研修名、研修の種類、受講方法、受講完了日などを記録します。

6当法人のご支援

規程・就業規則は当法人(社会保険労務士法人)、研修はNA&Well-Being株式会社が担当します。施行前に着手できるお申込みは11月末まで(施行前は月12法人まで、うちB・Cは月4法人まで)です。研修のみのご依頼は1回150,000円(税別)です。

プラン 研修に関する内容 料金
A 規程まるごとパック 規程・書類一式と研修運営キット(研修は国の動画で園が行う) 198,000円(税込217,800円)
B スタンダード Aに加え、講師が訪問して行う演習(90分、動画は事前視聴)、園長・管理者向けの説明、相談窓口の設置支援 298,000円(税込327,800円)

A・Bは、1法人・1施設・職員30名までの料金です。30名を超える場合は、担当者がお見積りします。Bの訪問は、施行後の2027年1〜3月です。法律上必要な研修(座学と演習)は、施行前に国の動画で終えていただきます。Bの訪問演習は、ガイドラインが重要・望ましいとする集団での演習と外部の専門家の関与を、施行後に追加で行うものです。

まとめ

研修は、座学と演習の組み合わせが必要で、国の動画を使うことができます。そのうえで、集団での演習や外部専門家の関与が望ましいとされています。施行時点の職員は施行前、新しく従事する人は従事前に受講できるよう、計画を立てましょう。

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この記事の出典(こども家庭庁の資料)

・こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」(令和8年9月改訂)p.122〜126

・こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」(令和8年9月18日改訂)基礎5-9〜5-11、応用5-6・5-7・5-9

・こども家庭庁「研修の手引き」(2026年4月初版)2.3、2.6、3.1、3.2.3、4.2、5.2、FAQ、別紙様式1-1・2

・当法人料金表(2026年9月時点)

※本記事は公表資料に基づく一般的な解説です。個別の施設の判断は、所轄庁またはこども家庭庁の問い合わせ窓口、専門家にご確認ください。