2023年01月11日
今回のSDGsコラムでは「2023年のSDGs」をテーマにお話したいと思います。
2023年はSDGs達成期限の2030年に向けた折り返しの年であり、とても重要な年といえます。
今年は、4年ぶりに首脳クラスが参加するSDGサミットが開催され、SDGサミットに合わせて「持続可能な
開発に関するグローバル・レポート(Global Sustainable Development eport:GSDR)」が公表される予定です。
GSDRでは、国連事務総長によって指名された15人の独立科学者が、SDGsの進捗具合を評価します。
折り返し点を迎えるまで、新型コロナウイルス感染症、ウクライナ侵攻などSDGsに影響を与える様々な出来事が起こりました。
そのため、2023年以降はSDGsの進展を加速させる実践的な解決策が求められています。
ウクライナ侵攻による影響
2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、国連で2015年に SDGs が採択されて以来、
初めて起きた戦争です。
この出来事は、SDGsにも大きな影響を与えました。ロシアのウクライナへの軍事侵攻は、SDGs目標 16
の「平和と公正をすべての人に」に反するものです。
今回のウクライナ侵攻は、地政学的リスクが引き起こす企業への影響を示しました。
地政学的リスクの高まりは、地域紛争やテロへの懸念などにより、原油価格など商品市況高騰、為替通貨の
乱高下を招き、企業の投資活動や個人の消費者心理に悪影響を与えるなど多くの側面に影響をもたらします。
企業における地政学的リスクは、サプライチェーンの各段階がどの国で行われているかに大きく関わります。
2023年はサプライチェーン・マネジメントが重要に
ウクライナ侵攻だけでなく、新型コロナウイルス感染症や米中摩擦の影響も長期化が予想されます。
このような状況下において、サプライチェーン・マネジメントの重要性が高まっています。
サプライチェーン・マネジメントの導入は、SDGs目標 12 の「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」
に最も関連し、目標達成につながります。
サプライチェーン・マネジメントを適切に行うことで、生産過程における社会的責任をだれが、どのくらい
果たせているかも明確になります。
目標達成のためには、
「どのように原料を調達しているか」
「再生可能エネルギーの利用度合いはどのくらいか」
「温室効果ガスをどれだけ排出しているか」
など、サプライチェーンにおける品質情報を共有が不可欠となります。
また、自社がサプライチェーンのどこに属して、問題が起きたときに、どのような影響があるのかを把握しておくことも重要です。