2022年02月8日
前回コラムでは国の取組みについてお伝えしましたが、今回は企業の取組事例をお伝えいたします。
「健康経営」とは、従業員等の健康保持・増進の取り組みが、将来的に企業の収益性等を高める投資であるとの考えのもと、従業員等の健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に実践することです。
◆企業による健康経営の取り組み事例
健康経営を取り入れている企業では、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
多くの場合、従業員の健康配慮に基づく『職場環境改善』が挙げられます。
では、『職場環境改善』は具体的にどのような取組なのでしょう。
例えば・・・
●運動習慣化を促す取り組むため、ストレッチなどの運動講座の開催や、運動器具を
事業所に設置する
●従業員毎に食事や運動内容についてアドバイスする機会を設ける
●健康に対する意識向上のため、セルフケア研修の実施
●健康的な食事を摂れるよう、社内食堂のメニューの工夫や自販機で健康食品を
販売する
●禁煙に取り組むため、就業時間は喫煙禁止にし、企業が従業員の禁煙を積極的に
サポートする
●女性が働きやすい環境の整備
●労働時間適正化や休暇取得率向上に取り組む
以上のように、様々な取り組みがなされています。
結果として、
●従業員にセルフケアの意識が高まり、疾病による休業日数が減少した
●運動習慣率の上昇
●コミュニケーションが円滑となり、業務効率化が見られた
●健康診断の二次検査受診率が大幅に上昇
●有給休暇取得日数の増加
資料:健康経営企業紹介レポートhttps://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/set_meigara_report2021.pdf
資料:健康経営優良法人(中小規模法人部門)取り組み事例集https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeieiyuryohojin2021_jireisyu210325.pdf
経済産業省では健康経営の具体的な取り込み事例集を多く紹介しています。
健康経営を始める際の取り組みについて、参考になります。
◆健康経営の取り組みの流れ
実際に健康経営を取り入れるにはどうしたらよいのでしょうか?
健康経営の進め方について説明します。
1. 健康宣言を実施
●健康経営を経営理念の中に明文化し、企業として取り組む姿勢を社内広報やプレスリリース等を通じて社内外に発信します。
●中小規模事業者の場合は、協会けんぽ等が実施する「健康宣言」事業に参加します。
2. 実施できる環境を整える
●健康経営に取り組むための組織を構築します。
●担当者や担当部署を設置するなど、取り組みやすい体制を作ります。
3. 具体的な対策をする
●自社の健康課題を見つけ出すために、健康診断やストレスチェックなどを実施し、現状を把握し必要な施策を実施します。
4. 取り組みを評価する
●具体的な取り組みの効果を確認・評価し、次の取り組みに活かしていきます。
~おわりに~
健康経営について、その目的や具体的な取り組み事例についてお伝えしてきました。
難しく感じられるかもしれませんが、自社の現状を把握し、他社の事例を参考に、まずは実施してみることが大切です。
※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
( 参 照 )
※「健康経営の考え方」(NPO法人健康経営研究会)
※「健康経営銘柄」(経済産業省)
次回は、健康経営で注目のプレゼンティーイズム、アブセンティーイズムとは?
働くすべての人が幸せでありますように! 遠藤 華子
〈健康経営エキスパートアドバイザー・産業カウンセラー・国家資格キャリアコンサルタント〉