【第5回】退職後の健康保険、どうしますか?~「3つの選択肢」~ | NAコンサルティンググループ

【第5回】退職後の健康保険、どうしますか?~「3つの選択肢」~

こんにちは、新潟にあるNAコンサルティンググループ・社労士のSです。
このコラムでは、「労働保険」や「社会保険」について、全6回でわかりやすさ重視でお届けします。

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会社を退職すると、それまでの健康保険は使えなくなります。 
今回は、退職後に選べる健康保険の3つの選択肢をご紹介します。 

※75歳以上の方は「後期高齢者医療制度」に加入します
※今回は協会けんぽのケースを例にしています 。

① 家族の健康保険に「扶養」として入る

家族が会社の健康保険に加入している場合、その扶養に入ることができます。 

◆加入条件
 ・収入や同居状況などの条件を満たす必要があります。 
  (パート収入や年金・失業給付なども収入に含まれる場合があります。) 

◆保険料 
 ・扶養に入ると、本人の保険料負担はありません 。

◆手続き 
 ・家族の勤務先を通じて手続きします 。

② 国民健康保険に加入する 

市区町村の「国民健康保険」に加入する方法です。 

◆加入条件  
 ・特に制限はありません。 

◆保険料 
 ・前年の所得世帯加入人数などで決まります。
 ・退職理由によっては保険料の軽減措置があります。 

◆手続き 
 ・住民票のある市区町村の窓口で行います 

③退職時の健康保険を継続する(任意継続被保険者) 

退職前に加入していた会社の健康保険を、個人で「最長2年間」継続できます。 

◆加入条件 
 ・退職前に、継続して2か月以上健康保険に加入していたことが必要です。 

◆保険料  
 ・全額自己負担となります。
 (在職中は事業主と折半していたため、在職時の約2倍の負担となります。)

 ・ただし月額には上限が設定されています。 
 (例)令和7年度 協会けんぽ新潟の場合 

 ・健康保険のみ:月額上限30,560円 

 ・健康保険+介護保険:月額上限35,648円 

 ・原則として保険料は2年間変わりません。 

◆手続き 
 ・退職日の翌日から20日以内に、自宅住所地の協会けんぽに申請します 。

どれを選べばいいの? 

医療費の窓口負担は3つとも同じですので、 一般的には、やはり負担する保険料額が選択のポイントになるでしょう。 

家族の扶養に入れるなら、それが一番お得! 
→ 保険料の負担がないため、退職後の収入が少ない等の条件を満たせば最も経済的です。 

前年の所得が高い方「任意継続」の方が安くなる場合もあり 
→ 国民健康保険は前年の所得で保険料が決まるため、退職直後は高くなる傾向があります。 

保険料を比較してから決めるのがおすすめ 
→市区町村の国民健康保険窓口で「自分の国民健康保険料がいくらになるか」を確認し、「任意継続の健康保険料」と比較して、安い方に加入するという方法も有効です。 

まとめ

退職後の健康保険は、加入する制度によって保険料や手続きが異なります。 
ご自身の収入やご家族の保険加入状況をよく確認したうえで、最適な制度を選びましょう。